MMORPG として見た PSO2ニュージェネシス
※このコラムは以前 note に書いたものを移行してきたものです。
この文章は MMORPG 好きの私が PSO2ニュージェネシス(以下 NGS)をサービス開始からおよそ 1年半プレイした今、NGS をどのように捉えているかを頭の整理を兼ねてまとめたものです。
あくまで一個人の感想です。
以下はすべて「基本的に」「一般的に」と前置きするもので、実際は細かな例外が多々ありますがそれらに触れると冗長になり読みづらくなるためここでは省略しています。
MMORPG というゲームジャンル
MMORPG とは
MMORPG は、おおよそ以下の要件を満たすゲームを指します。
- 不特定多数のプレイヤーがアバターを介して集いそれぞれ役割を担う
- 独自の世界観を持つフィールドを共有する
- バトルやおしゃれやエモートなど様々な活動が可能
よって NGS も一応 MMORPG に含まれます。
MMORPG というゲームジャンルが人を惹き付けるのは、不特定多数のプレイヤーが集いゲーム内コンテンツやコミュニケーションなどで絡むことにより得られる体験が魅力的なためです。
注意点の一つは、集う不特定のプレイヤーが多数で多様であるほど得られる体験はより魅力的なものとなり、それが少数であったり同類ばかりでは得られる体験も想定内で、特定少数でプレイするゲームと大差のないものとなり MMORPG としての魅力は薄れるということ。
ソロゲームや限られた人数でプレイするゲームとは違い、ゲームシステムだけではなくフィールドを共有する不特定プレイヤーの数や多様さがゲームのおもしろさに大いに関係するのが MMORPG の特徴です。
このため世に上記の要件を満たして MMORPG を名乗るゲームは数多くありますが、MMORPG として真価を発揮しているゲームはごく限られており、現在の日本においては FINAL FANTASY XIV(以下 FF14)と、あとは許容範囲を多少広げても ドラゴンクエストX オンライン(以下 DQ10) と 黒い砂漠 くらいでしょう。
そして注意点のもう一つは、その多様な不特定プレイヤーを多数確保し続けるにはいわゆるライト層を取り込まなければならないということ。非ライト層は数が限られており、かつほぼ同類と言ってよいからです。
このため MMORPG が真価を発揮するにはライト層を取り込むことが必要不可欠ということになります。
MMORPG の分類
MMORPG でも PvP 主体と PvE 主体では特にマネタイズ面で話が違ってきます。PvP 主体の MMORPG は競争を促せば一部のプレイヤーが熱くなって課金してくれます。一方の PvE 主体の MMORPG は競争を促したところで PvP ほど熱くはならないので、競争以外でプレイヤーに遊び続けたいと思わせる必要があります。
黒い砂漠は PvP 主体なので、PvE 主体の NGS の比較対象は同じく PvE 主体の FF14・DQ10 ですが、ただし両者は課金形態が大きく異なります。
- 黒い砂漠 - PvP 主体
- FF14・DQ10 - PvE 主体。月額料金制でプレイヤー全員から広く浅く集金する
- NGS - PvE 主体。おしゃれ用のアイテム(注1)を課金アイテムとし、ガチャ(スクラッチ)で限られた人から集金する
(注1)NGS では以下のおしゃれ用のアイテムの大半がガチャから排出される。
・外見用の衣装
・外見用のアクセサリー類
・顔パーツ(ヘアスタイル・瞳・まつげ等)
・エモート(ロビーアクション、しぐさ)
・モーション(走行・飛行・着地・待機時等の姿勢)
以上の MMORPG の特性を踏まえて、次に NGS をプレイして MMORPG として見たときに気になったことを書き出してみます。
1. プレイヤーに一体感がない NGS
FF14・DQ10 をプレイしていた私が NGS もプレイしはじめてまず感じたのは、話題に対していまいち盛り上がらないことでした。
FF14・DQ10 は話題があるとポジティブな話題でもネガティブな話題でもうねりのような盛り上がりを感じていたのですが、NGS では話題があってもそのような盛り上がりが感じられないのです。
コンテンツ不足や運営側の姿勢なども問題かもしれませんが、そもそも盛り上がりを阻害するような、MMORPG としてシステム上に何らかの欠陥があるように感じました。
a. 2システム併存による分断
FF14・DQ10 はバトルもアイテムの入手もすべてフィールド上で行われます。おしゃれ用のアイテムを入手するためにバトルコンテンツをしたり、クラフトに必要な材料をフィールドを駆け回って集めたりバトルで入手したりと、バトルとアイテムの入手は共通のフィールド上で行われて密接に関わっています。いわゆる課金アイテムなどフィールドとは別システムで入手するものは限られており、かつおまけアイテムでしかありません。FF14・DQ10 はフィールド上の話題はバトル好きもおしゃれ好きも誰もが多少なりとも関わりがあるので反応できるし、衣装やエモートの話題であってもそれらは大半が皆が入手可能なものなので誰でも反応することができます。
NGS はおしゃれ用のアイテムはほぼすべてフィールドとは別システムのガチャから生み出され、ガチャへの誘導のためにそれらはガチャ以外から生み出されることはありません。おしゃれがしたいだけならフィールドを動き回る必要もフィールド上のバトルコンテンツをする必要もなく、逆にバトル好きはガチャとは無縁で遊び続けることも可能ですがその場合は軽く遊ぶ程度ではまともにおしゃれ用のアイテムを集めるのは困難。バトルもおしゃれも好きというプレイヤーももちろん多いでしょうが、仮におしゃれにしか興味がない者にとってはフィールド上の話題など他人事だし、衣装やエモートなど人気のおしゃれ用のアイテムに関する話題はガチャとは無縁の人にとっては入手も困難なので他人事です。接点がないわけではなですがこのように独立した2つのシステムが併存しているのでプレイヤー間の共通の話題も限られることになります。
単一のフィールド上でプレイヤーが活動する FF14・DQ10 に対して、フィールドとガチャという独立した2システム上でプレイヤーが活動する NGS。どちらが盛り上がるか言うまでもないでしょう。
b. 課金額による分断
FF14・DQ10 は月額料金を払えばフル機能が受けられ、おしゃれ用のアイテムの入手もクエスト報酬や討伐報酬等なのでそれほど難しいものではありません。課金アイテムは限られているしあくまでおまけ的なものでしかなく、さらにゲーム内で売買NGなので公式RMT(リアルマネートレーディング)もありません。月額料金を払ったプレイヤーは皆極力平等に、差が広がらないように配慮されています。
NGS は基本プレイ無料というと聞こえがよいですが要は機能制限版を無料でプレイできるだけで、フル機能を受けるためには FF14・DQ10 の月額料金とほぼ同額の課金が必要となります。ただしこれもあくまでフル機能を受ける権利のみで、おしゃれ用のアイテムを入手するには別途ガチャをするか、無課金者と同様にゲーム内通貨(メセタ)をためて市場(マイショップ)で入手するしかありません。ガチャアイテムはガチャへの誘導のためガチャ以外から生み出されずかつ市場で売買可能なことから、ガチャをしてアイテムを市場で売ってゲーム内通貨を得る公式RMT がフィールド上の金策と比較してとても効果的であり、課金額が多いプレイヤーが圧倒的に経済的に優位になります。NGS は課金の有無で受ける機能に差がある上に課金額により圧倒的な経済的格差が生じます。
仮に同じチーム内のメンバーを考えたとき、FF14・DQ10 は全員がフル機能を受けていて見た目や可能なエモートなども課金額による格差がほぼないプレイヤーの集まりであるのに対して、NGS は課金額によって受ける機能に差があったり見た目や可能なエモートに大差があるプレイヤーの集まりとなります。
どちらが融和的・協調的な雰囲気で盛り上がれるか言うまでもないでしょう。
いわゆるガチャゲーは大半が実質ソロゲームであり課金額でプレイヤー間に大差がつこうが他人事ですが、不特定プレイヤーと大いに絡むことが大前提の MMORPG では課金額による格差が他人事とはならないのです。
c. 先発・後発間の分断
FF14・DQ10 はアイテムの数に限りはないため市場価格は基本的に下落してゆき適当な価格に落ち着くため後発プレイヤーでも入手しやすく、期間限定アイテムも多くは後日何らかの方法で入手手段が用意されます。後発プレイヤーでも月額料金を払った時点で先発プレイヤーと極力同じ状況になれるよう配慮されています。
NGS ではおしゃれ用のアイテムがゲーム内に生み出されるのはガチャで排出されたもののみのため数は有限。ガチャ期間が終了したらあとは入手手段は市場でのプレイヤー間の取引のみとなり、価格は上昇してゆきいずれは天文学的価格になったり市場から消えて入手不可となります。のちに再販ガチャが行われることはありますが、ガチャへの誘導のためガチャ以外の入手手段は用意されていません。市場で売買可能なものは市場に残っていれば入手できる可能性もありますが、市場で売買不可のアイテムはガチャ終了後は再販ガチャがない限り入手は完全に不可能となります。昔のアイテムや人気のアイテムであるほど入手は困難で、先発プレイヤーと後発プレイヤーの差は縮まりません。
仮に先発プレイヤーから後発プレイヤーまで開始時期の異なる者が集った場で「記念にみんなで○○のエモートをしてスクリーンショットを撮ろう」という話が上がったとして、FF14・DQ10 では主なエモートは大半のプレイヤーが習得しているので実現する可能性が高いですが、NGS ではライト層や後発プレイヤーがそのエモートを持っていない可能性が非常に高く実現性は低いでしょう。エモートだけでなく人気の衣装や顔パーツも状況は同じです。
強引なガチャ誘導で分断されるプレイヤー
このように、プレイヤーが皆同じシステム上で極力平等に遊べるよう、融和的・協調的で居心地の良い雰囲気となるよう細心の注意が払われて設計・ハンドリングされている FF14・DQ10 に対して、プレイヤーを分断する要素が目立つ NGS。そしてこれらの分断はすべて強引にガチャに誘導しようとしていることに起因する弊害です。
NGS のプレイヤーに一体感がなく盛り上がりにくいのはこのようなシステム上の欠陥を抱えているためでしょう。
2. NGS のキャラメイクやおしゃれの実情
NGS の強みは、自由度が高く細かな調整が可能なキャラメイク機能や、旧PSO2 時代から蓄積された豊富なアイテムによるおしゃれが可能なこと、そして同じく 旧PSO2 時代から蓄積された豊富なエモートが可能なこと。
MMORPG ではアバターの容姿や挙動はとても重要な要素であり、これらは FF14・DQ10 と比較してもかなりの強みです。
SEGA は NGS の広告でもこの強力なキャラメイク機能をアピールしています。
ところがこれらの強みは実際のところすべての NGS プレイヤーが享受できるわけではありません。
キャラメイクに必要な顔パーツもおしゃれ用の衣装やアクセサリーもエモートもガチャアイテムであり、特に人気が高いものは元々ガチャのレアアイテムである上に市場価格が高くライト層が入手するのは困難。そして後発プレイヤーが過去のアイテムを入手するのも困難なのです。
実際にプレイしてみるとよくわかりますが、初期から使用可能な顔パーツだけではまともにキャラメイクできないし、エモートも申し訳程度にしかできません。例えば女性キャラ用のヘアスタイルは初期から使用可能なのはたったの 5種類。しかも他を持っていない人が仕方なく使っているだけでこれらを好んで使っている方はほぼ見かけないような代物です。そして軽くプレイしたり微課金する程度では人気の顔パーツもエモートも手持ちが増えることはほぼないため、野暮ったいキャラクターでずっとプレイし続けることになります。プレイしはじめてすぐに人気のヘアスタイルが使える FF14・DQ10 とは全く様相が異なります。
ライト層や後発プレイヤーの多くは NGS の強みである強力なキャラメイク機能やおしゃれやエモート等を十分に楽しむことができず、つまり彼らにとって NGS は実質これといった強みもないただの平凡な MMORPG でしかありません。それなら NGS に留まる理由もないし、もしアクションゲームがしたいだけなら MMORPG のような面倒なものである必要もなく他の気軽に遊べるマルチプレイヤーのアクションゲームでよい、という話になってしまいます。
なぜこのような事態になっているのかといえば、ヘアスタイルやエモートなどすべてのプレイヤーが持つべき主要なアイテムすらほぼすべてガチャに組み込んでかつ他の入手手段を用意しないためで、強引にガチャに誘導しようとしていることに起因しています。
3. 後発が先発に追いつけない NGS
ネット上で MMORPG の話題として定期的に見かける「今からはじめても追いつくことができますか?」という質問について考えてみます。
FF14 は強いて言えばストーリーが膨大な量で後から最新にたどり着くのは大変だけれどもそれはむしろ良いことだし、ただ進めればよいだけのこと。ジョブも 1つ成長させるだけで進められるし、バトル系装備は一定期間ごとに一新されて、時間をかけて成長させなければならない要素もあまりありません。過去のおしゃれ用のアイテムも多くは入手手段が用意されています。月額料金を払えばこれらがすべて可能になり、後発プレイヤーにとてもやさしいゲームです。
DQ10 もストーリーの量がなかなかありますがそれは進めればよいだけ。ただバトル系アクセサリーなど時間をかけて成長させる要素がかなりあります。職業は事実上複数を成長させる必要があります。過去のおしゃれ用のアイテムは多くは入手手段が用意されているので問題ありません。月額料金を払えばこれらがすべて可能になり、総じていくらか手間はかかりますが後発プレイヤーが先発プレイヤーに追いつくことは可能です。
NGS は 1クラスを成長させればよいですが、時間をかけて成長させる要素が今は少ないものの今後増えそうな気配があります。そして過去のおしゃれ用のアイテムの入手手段は市場に残るものを購入する以外にありません。市場から消えていたりそもそも市場に出すことが NG のおしゃれ用のアイテムが山のようにあります。後発プレイヤーが先発プレイヤーと同レベルにキャラメイクしたりおしゃれしたりエモートしたりできるようになることは今のゲームシステムのままでは永遠にありません。
これもガチャ以外の入手手段を用意しなかったり、アイテムによっては市場に出すことすら NG にして強引にガチャに誘導しようとしていることに起因しています。
MMORPG は自分でキャラメイクしたアバターでバトルやおしゃれやエモートなど様々な活動を行うゲームであり、単にストーリーを終えてレベルが上限に達しても大した意味はなく、先発プレイヤーと同様に好きなようにキャラメイクをしたりおしゃれをしたりエモートしたりできるようになってはじめて追いついたと言えます。その手段が用意されている FF14 と DQ10 は時間やお金はかかるかもしれないものの後発プレイヤーが先発プレイヤーに追いつくことは可能と言えますが、そもそも手段が用意されていない NGS は後発プレイヤーが先発プレイヤーに追いつくことは根本的に不可能ということになります。
実際にプレイしてみるとよくわかりますが、入手したいアイテムがあったときに、
・入手条件がきついのでとても大変だけど頑張れば入手できる
のと
・そもそも入手手段がないため、どうあがいても入手できない
のとではストレスが全く違います。NGS はそのようなストレスを後発プレイヤーに強いているのです。
MMORPG はプレイヤー数を確保しなければ真価を発揮できません。そのためにも後からはじめた人に投げ出すことなくプレイし続けてもらわないとなりませんが、先発プレイヤーに追いつくことがゲームシステム上はじめから不可能なことが確定しているというのは論外ではないでしょうか。
NGS の現状
このように NGS は、課金額や開始時期により埋められない格差がつくため一体感にも欠けるし、話題があってもプレイヤーが分断されまくって一部しか反応しないのでいまいち盛り上がらない。基本プレイ無料で新規プレイヤーを呼び込んだところで NGS の売りであるはずの強力なキャラメイクやおしゃれを十分に楽しめず、そして後からはじめても先発プレイヤーに追いつくことは不可能。MMORPG として真価を発揮するにはあまりに問題だらけなゲームとなっているのです。
NGS は今は課金の主力となっている限られたおしゃれ好き・SS撮影好きがこじんまりと小さなコミュニティ内で盛り上がっていて、その周りで少数のバトル好きがバトルコンテンツを細々と楽しんでいるという状況となっています。いわゆるガチャゲーは金払いの良い固定客を一定数確保できてさえいればしばらく延命はできるのでその点では心配なさそうですが。
一方の FF14・DQ10 は基本皆横並びなので一体感もあり、何か話題があると多くの人が反応して盛り上がり、それを見聞きして外部から人が寄ってきます。後発プレイヤーも月額料金さえ払えば先発プレイヤーと同じ扱いな上に、特に FF14 は追いつきやすい設計なのですぐに盛り上がりの輪の中に入れるようになり、そしてさらに盛り上がる、という好循環となっています。
NGS に期待していたもの
私自身は MMORPG 慣れしている非ライト層に含まれる人間であり NGS もおしゃれや SS撮影などでそれなりに楽しんではいますが、MMORPG である NGS に望んでいたのは上記のような MMORPG ならではの盛り上がりでした。
実際 NGS のポテンシャルであれば実現する可能性はあったと思っています。「好みにキャラメイクしておしゃれを施した自キャラを操作して様々なことを行う」という MMORPG の核の部分はとても強力で魅力的なものがゲームシステム上は実装されていました。エモートなどのおしゃれ用のアイテムも旧PSO2 から互換性を維持して潤沢に引き継がれていました。MMORPG 市場でライバルのゲームたちと競うための武器はちゃんと持っていたのです。
でもそのような NGS の魅力に触れることができたのは、ガチャにそれなりに投資できたり MMORPG にそれなりに慣れている非ライト層など限られた人のみでした。
おそらく SEGA は「アクション寄りの MMORPGを作ろう」としたのではなく「アクションRPGをただ MMO 化した」だけなのでしょう。そう考えると「MMORPG はプレイヤー間のコミュニケーションがベースであり繊細な設計とハンドリングによりライト層をしっかり取り込む必要がある」といった次元の発想が薄かったのも頷けるし、旧PSO2 のマネタイズの成功体験もあって今回も安易に「PtW(ペイトゥウィン)とならない課金ならなんでもいいだろう」とばかりにバトル系アイテム以外をごっそりとガチャに入れてしまった上に他の入手手段を用意しないという乱暴な対応をしたのも頷けます。
ガチャを全否定するつもりはなく程度の問題だと思っていますが、元々基本プレイ無料というのは無課金プレイヤー分も含めたプレイ費用を一部の金払いの良いプレイヤーから回収しようとする歪んだシステムで、NGS はその費用回収のためのガチャへの誘導を、先ほどの女性キャラ用のヘアスタイルの例からもわかるとおり MMORPG が何たるかを考えずにあまりに強引かつ露骨にやりすぎました。
これが他の実質ソロゲームのガチャゲーなら他人とは大して絡まずそれぞれが好きなように課金したりしなかったりするだけなので問題にもならないでしょうが、NGS はそれぞれ課金額が異なる不特定プレイヤーと大いに絡む MMORPG であり、そのためこれまで述べたような様々な問題が噴出してしまったのです。
強力なキャラメイク機能や豊富なおしゃれ用のアイテムや豊富なエモートなど、MMORPG である NGS の魅力にライト層や後発プレイヤーが触れることのできるゲームシステムにはできなかったのか?もっと不特定プレイヤー同士が一体感を持つようなゲームシステムにはできなかったのか?
NGS は旧PSO2 からの固定ファンがいたのでスタート時から月額料金制にして、プレイヤー全員にフル機能を提供し、主要なエモートやヘアスタイルや衣装等はフィールド上のクエストの報酬や討伐の報酬等にして先発・後発問わず月額料金を払った皆が入手可能にし、NGS の売りである強力なキャラメイク機能やおしゃれやエモートを限られたプレイヤーだけでなくライト層も後発プレイヤーも気軽に楽しめる作りにしていたら……。
初期のコンテンツ不足をクエスト報酬で過去の豊富なアイテムをばらまくことでしのいでいたら……。
マネタイズは月額料金主体でプレイヤー数の最大化を図ることである程度解決させ、ガチャはおしゃれ用のアイテムをさらにほしい人向けに販売する程度にしていれば……。
……まぁ所詮は机上の空論だし今更たらればを言っても仕方ありませんが。
おわりに
先に書いたとおりやり方次第では MMORPG として大成するだけのポテンシャルを有していたゲームではあったと思っているので、PtW でなければなんでもよいとばかりに強引にガチャに誘導するゲームシステムとした結果問題だらけとなり、盛り上がらずライト層を取り込むこともできず MMORPG としての魅力の薄れたゲームとなってしまったのがとても残念です。
最後に念のため、この文章ではガチャ(ルートボックス)の是非を強調する意図はなく、あくまで NGS のガチャへの誘導が強引すぎてこのように MMORPG としては多くの問題を噴出させてしまったことに疑問を呈したものです。